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物流アウトソーシングとは?導入の流れや手順まで徹底解説2025.05.28
ECサイト運営などで商品の保管から配送までの物流業務が複雑化し、「専門知識がない」「人手が足りない」「保管場所がない」といったお悩みを抱えていませんか?
事業拡大に伴い、物流の課題は深刻化し、本来注力すべき業務に支障をきたすこともあります。
本記事では、これらの課題を解決する有効な手段である物流アウトソーシングの基本概要から委託可能な業務範囲やサービスの選び方、導入の流れと手順までを詳しく解説します。
この記事を読むことで自社の物流課題を明確にし、最適なアウトソーシング戦略を立てて業務効率化とコスト削減を実現する方法がわかります。
ぜひ最後まで読み進め、より効果的な物流業務ができるようにしましょう。。
物流アウトソーシングとは?基礎概要と必要性を丁寧に解説
ECサイトなどのビジネスにおいて、商品の保管から配送までの一連の物流業務は、売上と顧客満足度に大きく影響する要素です。しかし事業の拡大に伴い、物流業務は複雑化・高度化し、「社内に物流に関する専門知識が不足している」「人員が確保できない」「保管スペースが足りない」といった問題に直面する企業も少なくありません。
これらの課題を克服し、本来の事業活動に注力するための有効な手段として注目されているのが、物流アウトソーシングという選択肢です。
物流アウトソーシングとは、自社で行っている物流業務の一部、または全てを外部の専門企業に委託する形態を指します。この委託によって、企業は物流関連の固定コストを変動コスト化し、業務効率の改善やより質の高い物流サービスの提供を目指すことができます。
物流アウトソーシングの基本的な内容
物流アウトソーシングで委託可能な業務は広範囲に及びます。具体的には、商品の入荷・入庫や検品作業、在庫の管理、ピッキング作業、流通加工、梱包作業、出荷作業、発送業務、輸送、返品処理、各種帳票の発行、棚卸作業などが挙げられます。
さらに、物流アウトソーシング会社によっては、注文受付業務や顧客サポートまで対応してくれるケースもあります。近年では、注文受付や顧客対応まで包括したフルフィルメントサービスを提供する事業者が増加傾向にあります。
物流アウトソーシングの料金体系は、大きく分けて定額制の物流サービスとカスタマイズ可能な物流サービスの2つのタイプが存在します。
定額制の物流サービスは、配送個数などに応じて料金が決定する従量課金制を採用しており、出荷量が比較的少ない企業や、手軽に導入を検討したい企業に適しています。導入までの時間が短く、予算の見積もりが容易であるという利点がありますが、サービス内容の自由度は低い傾向にあります。
一方、カスタマイズ可能な物流サービスは、各企業の要望に応じて料金が個別に算出され、運用方法を詳細に調整できるため、より自社のニーズに合致した物流体制を構築したい企業や大規模な物流委託を検討している企業に適しています。ただし、料金は定額制に比べて割高になる傾向があり、導入までに時間を要する場合があります。
物流アウトソーシングの必要性について
物流アウトソーシングは、以下のような状況にある企業にとって特に有効な手段と言えます。
・繁忙期と閑散期で物流量の変動が著しい企業
・顧客への配送品質を向上させたいと考えている企業
・商品の保管や出荷作業が複雑化し、管理が困難になっている企業
・物流コストの削減、またはコスト構造の明確化を目指している企業
・売上の増加に伴い、既存の物流体制では対応が困難になってきている企業
・ECサイトを立ち上げたばかりで、物流業務に関する知識や経験が乏しい企業
・物流業務に過度な労力がかかり、商品企画などの基幹業務に支障が出ている企業
物流アウトソーシングは単に業務を外部に委託するだけでなく、物流に関する専門的な知識やノウハウを活用し、自社の物流体制を最適化するための戦略的な選択肢と言えます。自社の現状の課題と将来的な事業目標を明確にした上で、最適な物流アウトソーシングサービスを選定することが、事業成長の重要な鍵となるでしょう。
物流アウトソーシングの主要サービス種類と重要な選定ポイント
物流業務は事業拡大に伴い、複雑さを増していきます。そのため、多くの企業にとって物流アウトソーシングは業務効率化とコスト削減を実現する上で、欠かせない戦略となっています。
ここでは、主要なサービス形態と、貴社に最適なパートナーを選定するための重要な視点をご紹介します。
物流アウトソーシングの主なサービス形態
物流アウトソーシングのサービスは委託する業務範囲や料金設定によって、いくつかのタイプに分類できます。
フルフィルメントサービス
フルフィルメントサービスは商品の入荷・検品から保管やピッキング、梱包、出荷、配送に至るまでECサイト運営における一連の物流プロセスを包括的に外部へ委託できるサービスです。
さらに、注文処理や顧客対応を委託することも可能です。そのため、フルフィルメントサービスを利用することで企業は物流業務を完全に任せることができ、中核事業に専念できるようになります。特に、ECサイト立ち上げ期で物流に関する専門知識が不足している企業や、複数の販売チャネルにおける物流を一元管理したい企業に最適です。
部分委託サービス
部分委託サービスは物流業務の一部のみを外部に委託するサービスです。自社内に物流部門はあるものの、特定の業務における人員不足の解消や、専門性の向上を目指す場合に有効です。例えば、繁忙期の出荷業務のみを委託したり、特殊な流通加工を専門業者へ依頼したりなど、特定の課題に対し集中的に解決策を求める場合に適しています。
パートナー選定の重要ポイント
最適な物流アウトソーシングパートナーを選定するためには、以下の点を慎重に検討することが不可欠です。
・自社の物流における課題と目的の明確化
・委託したい範囲と提供されるサービスが合っているか
・料金体系と見積もりの妥当性
・実績と信頼性
それぞれのポイントをおさえ、サービス選定で後悔しないようにしましょう。
自社の物流における課題と目的の明確化
まず、物流アウトソーシングを検討する理由や解決したい具体的な課題を明確にすることが重要です。コストの削減や業務効率の改善、品質の向上、中核事業への集中など、目指す目標によって重視すべきサービスや機能、料金体系が異なります。
委託したい範囲と提供されるサービスが合っているか
アウトソーシングサービスによって、対応可能な業務範囲や得意とする商品カテゴリーが異なります。自社が委託したい業務内容を網羅的に提供しているか、取り扱う商品の特性に適切に対応できるかを確認するようにしましょう。
特に、フルフィルメントサービスを希望する場合は商品の入庫から配送や返品対応までを一貫して行えるか、部分委託サービスを希望する場合は必要な業務のみを柔軟に依頼できるかを確認しましょう。
料金体系と見積もりの妥当性
アウトソーシングサービスを決める際には、料金体系が自社の物量や予算に見合っているかを確認し、複数の業者から見積もりを取得して比較検討することが重要です。
見積もりには基本料金だけでなく、オプション料金や追加費用が含まれているか、費用の単位も確認し、総コストを正確に把握することが重要です。不明確な費用項目がないか、サービス内容とコストが見合っているかどうかも、重要な判断基準となります。
実績と信頼性
物流アウトソーシングは、長期的なパートナーシップとなる可能性が高いため、過去の取引実績や顧客からの評判、対応可能な出荷量や商品カテゴリー、トラブル発生時の対応、セキュリティ対策などを確認し、信頼できる事業者を選ぶことが不可欠です。
委託してからしっかり選定すればよかったという後悔が出ないようにあらかじめしっかり確認しておきましょう。
物流アウトソーシング導入の流れと手順
物流業務を外部に委託することは、事業効率の向上や経費削減に繋がるかもしれません。ここでは、その導入プロセスを段階的に説明していきます。
1. 導入前の現状分析と準備
導入前の現状分析と準備では、以下の項目が重要です。
・自社物流の実態把握
・アウトソーシングする目的の明確化
・内部プロセスの見直し
特に、自社物流の実態把握と目的の明確化は導入する前に必ず考えるようにしましょう。
2. 委託先の選定
導入前の現状分析と準備ができたら、以下の項目に進みましょう。
・事業者の比較検討
・相談とヒアリング
・見積もりと提案内容の比較検討
・倉庫の視察
・最適な事業者の決定
複数の事業者を比較しながら検討したり、実際に倉庫の視察に行くことでイメージと事実のギャップを埋めることが可能です。契約してからイメージと違ったとならないように、必ず確認するようにしましょう。
3. 契約交渉と締結
委託先を選定できたら、以下の手順で契約まで進めましょう。
・提案内容の評価と交渉
・契約条項の確認
・契約の締結
契約をする際には、少しでも不安なことや不明点があればその場で相談するようにしましょう。
4. 移行準備と実施
契約が締結できたら、実際に作業を進めるための準備をしましょう。
・移行計画の策定
・情報共有と教育
・システム連携とデータ移行
・業務フローの構築
契約できてもいきなり業務を任せると、お互いに困ってしまうでしょう。実際にアウトソーシングを始める前に、計画を立てたり情報共有やシステムの連携をするようにしましょう。
5. 物流業務の開始
移行ができたら、実際に物流業務を開始しましょう。業務開始直後は、自社の要求通りに作業が行われているか、データの送受信方法や納品ルールが遵守されているかを注意深く監視することが重要です。
6. パフォーマンスの監視と改善
物流業務が開始したらそこで終わりではありません。
配送時間や在庫水準、誤出荷率、コスト効率など、物流アウトソーシングのパフォーマンスを測定するための指標を設定し、事前に契約やサービスレベル合意書で合意された基準と比較して評価します。
より効果的な運用ができるようにパフォーマンスを監視し、問題があれば改善するようにしましょう。
まとめ
この記事では、物流のアウトソーシングについて解説してきました。
物流アウトソーシングは、ECサイト運営などにおける複雑化・高度化する物流業務を外部の専門企業に委託する形態で、企業の課題解決やコア業務への注力を可能にする有効な手段です。委託可能な業務は多岐にわたり、フルフィルメントサービスのように一連の物流プロセスを包括的に委託することも、部分委託のように特定の業務のみを依頼することもできます。
導入にあたっては、まず自社の現状と課題、アウトソーシングの目的を明確にし、複数の委託先を比較検討することが重要です。料金体系、サービス範囲、実績、信頼性などを慎重に評価し、自社のニーズに最適なパートナーを選定する必要があります。
導入の流れとしては、現状分析と準備、委託先選定、契約、移行準備、業務開始、そしてパフォーマンスの監視と改善が挙げられます。委託先との密な連携と、導入後の継続的な評価と改善が、物流アウトソーシングを成功させるための鍵となります。